ニューヨーク株式市況

2024/04/18:現地日付

主要指数 終値 出来高概算(百万株)
ダウ 37,775.38
+22.07
950.05
SP500 5,011.12
-11.09
-
ナスダック 15,601.50
-81.87
-

本日のポイント

株式市場

午前8時半発表の週間新規失業保険申請件数は21.2万件と予想を下回り、継続受給者数も181.2万人と予想以下の低水準となり、雇用堅調を示唆した。同時発表の4月フィラデルフィア連銀景況指数は15.5と予想を大幅に上回った。新規受注、出荷が前月から上昇。同時に仕入れ価格、販売価格とも前月比上昇し、これらを受けて10年債利回りは上昇基調。さらに寄り付き直前に、NY連銀のウィリアムズ総裁が、「利下げの緊急性を感じていない」とし、「利下げタイミングは経済データ次第であり、経済は非常に強い」と述べ、更に、「基本シナリオではないが、データが正当化すれば利上げの可能性もある」と述べた。10年債利回りがこれを嫌気して更に上昇する中で、株式市場は、経済の堅調を好感しながらも10年債利回りの上昇に圧迫される状態となり、S&P500はほぼ横ばい付近で寄り付いた。台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)が予想以上のF1Q決算を発表したものの、2024年の半導体市場全体の見通しを引き下げたことから、半導体指数が下げ、情報技術が軟調に始まったが、一方で他のセクターは幅広く小確り。午前10時発表の3月中古住宅販売件数は前月比-4.3%の年率419万戸と予想をわずかに下回ったが、米経済堅調シナリオは揺るがない。市場の焦点が企業決算に集まる中で、その後のS&P500は全体にやや堅調な動きに転じた。エレバンス・ヘルス(ELV)が予想以上の業績でヘルスケアの上昇を牽引。CSX(CSX)が予想以上の決算となり、アラスカ・エア・グループ(ALK)が2024年利益ガイダンスを引き上げ、資本財も順調。また、メタ・プラットフォームズ(META)が新しいAIモデルを発表して買われコミュニケーションサービスも堅調。ジェニュイン・パーツ(GPS)も予想以上のF1Q決算で一般消費財を支えた。これらの業績好材料にサポートされ、S&P500はじりじりと上昇し、午前11時半前に前日比+0.68%の5056に達した。しかし、正午近くにアトランタ連銀のボスティック総裁が「米国のインフレは高すぎる」と述べ、年末まで利下げはできないだろうと述べ、10年債利回りが一段と上昇する中で、株式市場はさすがにこれに圧迫され、全体にややリスク回避の動きが高まる中で、S&P500は反落に転じた。テスラ(TSLA)がアナリストによる業績への慎重コメントを背景に売られ一般消費財の反落を牽引した他、情報技術、エネルギー、資本財なども小幅安へと沈み、S&P500は午後2時半過ぎに前日比-0.40%の5001まで下落した。その後は、引け後発表のネットフリックス(NFLX)の決算を控え、やや慎重な推移。前日同様に5000の抵抗線を守りながら、S&P500は小幅安で終了した。ダウ平均が+0.06%、S&P500が-0.22%、ナスダック総合が-0.52%。セクター別では、コミュニケーション・サービスが+0.65%、公益が+0.61%。他方、情報技術が-0.89%、一般消費財が-0.71%。個別では、上記ジェニュイン・パーツ(GPC)が+11.22%、エレバンス・ヘルス(ELV)が+3.19%、アラスカ・エア・グループ(ALK)が+4.03%。ジェットブルー・エアウェイズ(JBLU)がアナリストによる投資判断の引き上げで+4.10%。他方、上記テスラ(TSLA)が-3.55%。ラスベガス・サンズ(LVS)がF1Qのマカオの業績が予想以下となり-8.66%。

債券・為替市場

午前8時半発表の4月フィラデルフィア連銀景況指数は15.5と予想を大幅に上回り、支払い価格、受け取り価格は前月から上昇した。同時発表の週間新規失業保険申請件数は21.2万件、継続受給者数は181.2万人といずれも予想を若干下回り雇用の堅調を示唆した。これら堅調なデータを受けて債券利回りはカーブ全体で上昇し、10年債利回りは4.62%をつけた。午前9時半頃にNY連銀のウィリアムズ総裁が、「利下げに緊急の必要を感じない。利下げのタイミングは経済次第で、経済はコロナ前の成長トレンドに復帰しており極めて堅調。利上げは基本シナリオではないが、データ次第では利上げもありうる」と述べた。利上げへの言及を受けて10年債利回りは4.6306%まで上昇。午前10時発表の3月中古住宅販売は年率419万戸と予想を若干下回り、同時発表の3月景気先行指数は-0.3%と予想以下になった。これを受けて売りは一旦落ち着いた。しかし、午前11時すぎにアトランタ連銀のボスティック総裁が「インフレは高過ぎる。年末まで利下げできる状態にはならない」と発言。連続する連銀高官のタカ派コメントの中で、10年債利回りは午後1時近くに4.6512%まで上昇した。その後は4.640%付近で保ち合いとなり、午後4時の10年債利回りは4.633%となった。為替市場では、ドル/円は朝方は154.30~154.50のレンジで推移。4月フィラデルフィア連銀景況指数が予想以上となり、週間新規失業保険申請件数が予想を下回り、堅調な経済を示す中でも介入警戒が頭を抑え、ドル/円は発表前と同じレンジ内。しかしNY連銀のウィリアムズ総裁の利上げへの言及をうけて、日米金利格差が意識され、ドル/円は154.50~154.65へとレンジを切り上げた。更にアトランタ連銀ボスティック総裁のタカ派発言で、ドル/円は午後1時半すぎに154.69まで上昇。植田日銀総裁が、「米経済は為替レートなどを通じて日本経済及び物価に影響を与える」と苦言のトーンを示した中でドル/円は様子見となり154.60付近で小動きとなり、午後4時には154.62となった。

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